今のブームは追うべきではない!
「いま、こういうテーマを書いたら売れると思うんですけど、いかがでしょうか?」
こんなことをおっしゃる方も少なくありません。
おそらく私以外の編集者にもこんな話をしていることも、
容易に想像できます。
たしかに、そういう提案自体は、その方の自信の表れですし、
ありがたいものだと思っています。
ただ、残念なことに、
多くのそういう出版テーマが日の目を浴びないと見ていいでしょう。
なぜだか、わかりますか?
それは、多くの編集者が「いま、売れる」ものではなく、
「発売時に売れる」ものを求めているからです。
すぐにあなたが原稿を書いたからといって、
来月にも書店店頭で本が平積みされるわけではありません。
あくまでもこれは目安ですが、
だいたい原稿ができてから3カ月から10カ月くらいかかると、
考えておいてください。
一般的に本になるのに、半年から一年以上かかります。
つまり、今人気があったとしても、
発刊時に人気が継続しているか、
そこが問題になるというわけです。
あれほど人気のあったタピオカミルクティーも、
下火になってきていますし、
仮にいま、タピオカミルクティーの店を出すのも勇気がいりますよね。
それと同じで、ブームを追うことにもリスクがあることもわかりますね。
では、何をしたらいいのか、お話ししますね。
・自分の専門分野を大事にする
・ブームのコアと半歩先を考える
一番上のものは今まで語ってきたため、
割愛します。
「今のこのブームに関連づけて、自分は何ができるだろうか」
これをとことん、考えてみましょう。
まず大事なのは、
先日、この記事でも書きましたが、
soful610.hatenablog.com
ブームになった背景や世情をつかむことです。
- なぜTikTokが流行っているのか?
ブームのコア(核)となるものをつかみ、
半年後にはこんなものが流行るのではないかと、
考えてみましょう。
例えば、TikTok人気の一つの要因として、
「YouTubeより簡単に配信でき、自分を表現できる」
面が大きいと見ています。
個の時代と言われて久しいですが、
これほど容易に「個を表現できるもの」って、
なかったように思います。
おそらく、TikTokがなくなったとしても、
後発でこのコアを受け継ぐサービスが出てくるでしょう。
この流れで出版テーマを考えるとすると、
「個で稼ぐ」という色々な形が出てくるだろうな、
まだ続くだろうなと考えられます。
こんなふうに半年先を考えてみるのです。
それでは、また!