処女作はどのくらい売れればいい?

「売れる企画はどのように考えたらいいのでしょうか?」

そんな声をよく聞きます。

私は基本的には、ご自身のビジネスのことを考えると、
10万部超えのヒットを狙うべきではないと考えております。




もちろん、10万部を狙ったわけではないけど、
結果的に10万部を超えたというのなら、
それはそれでいいでしょう。

ただ、10万部を超えるヒット書を作るのは、
決して容易ではありません。

前にも紹介したとおり、
ビジネス書で10万部超を狙うことは、
野球でいうところのホームラン狙いでもあるのです。

著者としてそれほど実績がないのなら、
まずは二回増刷するぐらいの部数を目標として、
企画を考えてみてはいかがでしょうか?

二回増刷すれば、
8000部から10000部くらいには、
達するでしょう。




「えっ、目標として低すぎない?」

そう思うかもしれませんが、
忘れてはならないのは、
今は出版不況まっただ中。

増刷率はおおよそ全体の2,3割といったところです。

プロ野球で打者がヒットを打つくらいの打率と考えると、
目標として低くないことがわかるでしょう。




それに、おそらく二回増刷すれば、
どの出版社も基準値を超えて売れていると判断してくれるはずです。

どの出版社もPOSデータで自社や競合の売れ行きを見ることができますし、
処女作が二回増刷くらいの売れであれば、
「うちの会社でも書いてもらおうかな」と、
二作目三作目の出版機会も生まれやすくなります。




実は、2,3回の増刷を目指せという真意は、
二作目、三作目のオファーをもらう目的にあります。

そのことを念頭に置いて、立てるべき戦略は二つ。

① 自分は何の専門家なのかがわかる企画
② 著者人生を生き抜くためにどんな本を書くか、先まで考える

8000部くらい売れる本をつくるコツは、
読者対象をとことん絞って、その絞った人に届けるイメージです。

当然、自分の専門分野でせめることになります。

自分の専門性をとことん磨いていきましょう。




②については、また別途記事にしていきますが、
端的に言うと、はじめのうちから書けるテーマをいくつか用意しておくことです。

その際、処女作から派生されたテーマで考えるのがポイントとなります。
もし、同じテーマしか考えられなければ、
読者対象や切り口を変えて考えてみるのです。




とはいえ、出版社の事情で思惑通りにはならないのが常ですが、
この二つを考えておくと、今後出版とどう向き合うか見えてきます。

それでは、また!