プロとしての哲学、持っていますか?
2003年4月に出版社に入社して以来、
ビジネス書の書籍編集者としての仕事をメインでやってきましたが、
独立して今になって、非常に痛感することがあります。
それは、プロとしての哲学を持っているか、ということです。
おかげさまで、さまざまな業界で活躍されている素敵な皆様と仕事をし、
彼ら彼女らがどんなことを考えて仕事をされているのか、
肌身で感じる機会に恵まれました。
本業で圧倒的な成果を出している方はよく、
ノウハウは環境の変化にもろに影響を受けるのに対し、
「プロとしての哲学」は不変だとおっしゃいます。
ここでこう書くと、
実践的なノウハウがほしいよな、なんて思いますが、
実績を残す人たちが語られる様子を見ると、
改めて活字では語りえない迫力があるのです。
こういうすごい人から直接聞くという第一情報を得られるなんて、
編集者は幸せな仕事だと感じます。
では、「プロとしての哲学」とは何でしょうか?
現・パナソニックの創始者である松下幸之助さんは、
「利を追えば利が逃げていく」という言葉を残していますが、
このあたりにプロとしての哲学を感じます。
たしかに、利益を得られなければ、事業として成り立たないし、
一所懸命利益を追う時もあるでしょう。
私も自分を売り込み、営業活動しないといけないなと思います。
しかし、何か必死にものを売り込もうと思っている人から、
何かものを買いたいとは思わないですよね。
「この人から買いたい」と思えるようなものがなければ、
継続的に買ってくれるお客さんにはなりません。
そこで、先ほどこの三つが大事というわけです。
・人から共感を得たり、応援してもらえる考え
・自分が提供したい世界はどんな世界なのかが明確
・一貫性のある言動
さて、これは著者デビューして、
ずっと出版の機会に恵まれる人の特徴でもあります。
「考え方に共感を覚える」
「こんな素晴らしい世界観を提供してくれる」
と認識されれば、多くのファンがつきます。
「いま、こんなテーマが流行っているから、ちょっと書いてみよう」
という考えでは到底追いつけないような高みまで、
哲学を持っている著者は上り詰めることができるでしょう。
利益に向かって走っているわけではありませんので、
一見、遠回りしているように思いますが、
長年著者として愛されている方って、
哲学を大事にしているのです。
ともに哲学を構築して、高みを目指してみませんか?
それでは、また!