汎用性があること
ビジネススキル系の本を買う人は、
ノウハウを身につけて、自分の力を上げ、
結果を出していこうと考えています。
読者さんの視点から見た場合、
読書によってなんとかそのノウハウをものにしたいと思うものです。
当たり前すぎるほどの前提であり、忘れてはなりません。
そんな前提を叶えるためにも、
できる限り良質なノウハウを提供したいと思う著者さんも多いでしょう。
もちろん、読者さん自身の心構えによって、
身につくとか身につかないとか、
習熟度が変わってくることは否めません。
一回試してうまくいかなかったとしても継続してみたり、
数回試したのち、自分に合うようにアレンジしてみた上で、
そのノウハウが読者さん自身に馴染むものなのか、
著者さんからしてみると、判断してもらいたいところでしょう。
しかし、当然ながら、「やってみよう」と思わせることも技術ですし、
著者さん自身が読者さんをその気にさせる力も持っておきたいです。
その働きかける力を構成するもののひとつが、
「汎用性がある」かどうかだと思います。
今日はいかに、その汎用性が持てるようになるのかのポイントを見ていきましょう。
まず、そもそも汎用性とは何なのかという話です。
さまざまな場所でさまざまな用途で広く活用できるものと、
考えておいてください。
また、転じて、汎用性があるというのは、こういうことのアピールでもあることを、
忘れないでください。
それは、「優秀な著者さんだからできたんでしょ」という言い訳を、
成り立たなくさせるものだということです。
そのため、企画を作る時に、次のようなことを盛り込めないか、
考えてみるといいでしょう。
- 「これはできる!」と思われるようにノウハウ自体をシンプルにする
- 経験談を載せて親近感を持ってもらえるようにする
- さまざまな用途で使えることを例示して見せる
- 根治療法と対症療法のバランスを考える
本当は、ひとつひとつ丁寧に説明したいところですが、
上から1〜3つ目は言わんとすることがわかるでしょう。
その時に忘れてはならないのは、
3つとも、相手が言いがちな言い訳をつぶしているということです。
例えば、ノウハウがシンプルであるなら、「難易度が高いからできない」という言い訳を、
親近感を醸成できれば、「著者だからできた」という言い訳を、
さまざまな例を見せられれば、「自分に置き換えられない」という言い訳を、
それぞれつぶしていることに気づきませんか?
むしろ、言い訳してしまう自分が恥ずかしく思えるはずです。
次、一番下の「根治療法と対症療法」の話について少し触れます。
基本的に「このようなシーンではこれをしましょう」というパターン別の手法を、
多くの方は望みます。
これは、対症療法の典型ですね。
ただ、全てのパターンを例示できるわけはありませんよね。
そこで、スキルアップに欠かせない大事な考え方や手順、ルールをしっかり教える、
根治療法も出しておく必要があります。
読者がそれをもとに考え、自力でノウハウを身につける際に必要となってきます。
ただ、根治療法で大きく紙面を稼いでしまうと、
何か面倒そうと思われがちなので、
二つの療法でバランスをとっていくことも視野に入れておきましょう。
それでは、また!