類書をチェックしすぎないこと

初めての著書を書く時に注意しておきたいことがあります。

それは、類書をチェックしすぎないことです。

「えっ、ちょっと待って! 差別化を図らないといけないんでしょう?」

その通りです。
差別化がはっきりしていないと、それこそ類書に埋れかねません。

孫子の兵法に、
『彼を知り己を知れば百戦殆うからず』というものがありますが、
たしかに相手(類書)を知ることは大事です。



ただし、どうしても競合分析をしようと思っていたり、
構成の作り方や文章の書き方を見てみたりすると、
その類書に引きずられるという落とし穴にハマる可能性があります。

よくあるのは、
類書を意識して差別化しようとするあまり、
どういう構成でどんな書き方をしているのかなど、
細かいところまでチェックしないと、
気が済まなくなる症候群です。

読んでしまうと、自分で書いたものが大丈夫なのか、
不安になりがちなんですよね。



そこで、必ずしも、このようにしたらいいというわけではありませんが、
次のことくらいに留めておくことをお勧めします。

文章は読まず、目次はさらっとみるのみ
どういう立場の方が書いているかを知る
タイトルと目次からどんな内容なのかを知っておく

もちろん、多少文章を読むくらいなら構いませんが、
その多少のつもりで読むことによって、
類書に似てしまうというケースを私はよく見て来ました。

注意喚起しておきます。



さて、いきなり、なんで今日はこの話なのだろうと、
思われた方もいるかもしれません。

実は、今日、この話をした理由として、
上記のような注意喚起の他に、
どうしても伝えたいことがあるからです。



それは、処女作をこれから書くのであれば、
周りの目を気にしたり、体裁を整えたりすることを手放しましょう、ということです。

原稿を書き上げてから、
他の類書はどう書いているのかを見てみると、
どうしても荒削りな部分が出てしまったりとか、
拙さに恥ずかしくなってしまうこともあるでしょう。

もう少し、うまく伝わるように書いていきたいと思うこともあるでしょう。



でも、気にすることありません。
そのままでいいのです。



読者が読みたいのは、飾りまくった綺麗事ではなく、
泥臭くても真実を教えてくれるものです。

どうして、あなたは飾り立てないとならないのでしょうか。

伝えたいことを伝えたい形で伝え切るといったことに、
是非とも誇りを持ってもらいたいと願っています。



そもそも、出版社の審査を通り、原稿を書くところまで行けた時点で、
あなたは、もう著者という特権を手にしているわけです。

つまり、あなたの言葉やメッセージ、ノウハウを、
出版社が製作費を負担し、
本として世に出すことが認められている身分なのです。

よくよく考えてみたら、すごいことですよね。



その特権を手にしたことに誇りを持ちながら、
自分が真に伝えたいことを伝え切る姿勢で、
突き進んでもらいたいと思っています。

どうしても調整が必要なところは、
編集者が調整してくれるはずですので、
ご安心ください。



それでは、また!