完全オリジナル商品を作るには?
昨日、『マーケティングは他社の強みを捨てることから始まる』という、
2006年に刊行した本を紹介しました。
その中で、他社ヒット商品の追随商品が、
いかに不利益を及ぼすのかといった話も紹介しました。
これについては、割と言われていますし、
私が言うまでもないことかもしれません。
それに、なかなか商品が売れないこの時代の中で、
他社の売れた商品を参考にせず、
完全オリジナル商品で勝負するのは、
容易なことではありません。
そもそも、企画を審査する人たちの価値観に合わなければ、
どれほどしっかり企画を作り上げて、理屈をつけても、
「プレゼンに通らない」ものです。
あっ、これはいいネタなので、明日に書きますが、
出版社によって、企画の審査ポイントは変わってくるため、
一社で企画が落ちたからと言って、肩を落として落ち込む必要はありません。
Aという出版社で「こんなの売れない」と評価された企画が、
Bという出版社ではすんなり企画通過し、
ロングセラー商品になることだってあるのですから。
実際に、前職に在籍していた時もそのような話を数回聞いています。
ここで逸れた話を戻しますね。
ここで重要なのは、他社の強みを採り入れず、
完全オリジナル商品を作ることが難しいということです。
前のブログでも書いたかと思いますが、
その会社で審査する人の価値観を探って、
合わせていくことも時には必要かと思います。
しかし、そうわかっていても、
他に類書らしきものもないような、
オリジナル企画を出版化させたいという方もいらっしゃるでしょう。
私は、ホームランよりもツーベースヒットを狙うことをお勧めしていますので、
必ずしも、そんな完全オリジナル企画を考えるべきとは言いません。
その前提で言うことがあるとすれば、次に集約されます。
ツーベースを狙う企画と、ホームランを狙う完全オリジナル企画を、
同時並行で企画を考えてみたらいかがでしょうか。
完全オリジナルの企画は、出版社サイドから見て、
「どのくらい売れるのか」つかみにくい面がありますし、
審査しづらいということからどうしても「NO」と言ってしまう可能性が高くなります。
「NO」と言われ続けながらも数十社に持ち寄れるか、
企画者の精神力が問われる面はあるでしょう。
そういったメンタルの問題で、通りやすいツーベース企画も仕込んでおくのです。
さて、この辺りのことが理解できたら、
まず完全オリジナル企画を出すにあたり、
その企画が独りよがりになっていないか、
ちゃんとニーズを捉えているかのチェックを欠かさず、行いましょう。
私自身も、自分1人だけが熱くなって、
ふと冷静になって周りを見回したら、
周りは冷え冷えとしていて、
ギャップを感じた経験、あります。
オリジナル商品を考える時って、
自分だけが熱くなりがちですので、
冷静に考えるようにすることって、大事なんですよね。
そのため、企画を作る途中段階でいいので、
周りの人に意見を聞いてみたり、
ネットで意識調査してみたり、
多くの方からフィードバックを得るようにしていきます。
その際、具体的にどう思うのか、なぜそう評価するのか、改善案があるかなど、
いくつか質問を用意し、相手に答えてもらうようにしましょう。
実際、他者の意見を採り入れることで、
客観性を持って企画を見ることができますし、
さらに企画自体が進化することだってあり得ます。
それでは、また!