ありふれた内容でどう特化する?

「ビジネス書って、結局、言いたいこと、一緒だよね」
そんな声が聞こえてきそうです。

十数年、ビジネス書の編集者をしていて、
そのような話を聞くことがありますし、
Amazonのレビューを見てみても、
「既知の事実ばかり」といった評価を目にしたことも、
一回や二回ではありません。

そもそも、『人を動かす』が80年以上、
ベストセラーとして読み継がれている事実自体が、
ビジネスの原則だったり、考え方は変わらないという証のように思えます。



さて、なぜ、いきなりこの話をしたか、わかりますか?

意外と蔑ろにされがちですが、
ビジネス書の業界が成熟期を迎えた今だからこそ、
この事実を噛みしめておくべきだと、私は考えているからです。

そして、著者さんがこの事実に関して、どう捉えていくのか、
自分なりにどう解釈していくのかで、
当然、ビジネス書の書き方も変わってくるでしょう。

今日は、これからのビジネス書の書き方を紹介していきたいと思っています。


まず、ビジネス書を書くにあたり、
次の視点を忘れてはなりません。

  • 真に読者さんのためになる本とは何か?
  • 読んでもらうよう、どのように工夫するのか?


一つ一つ見ていきましょう。

まず、前者ですが、これは明白でしょう。

ビジネス書を買う人は、その問題を解決したいから買うわけです。
ならば、当然、著者さんはいかにすれば、
読者さんのためになるのかを考える必要があります。

どんな言葉を使えば、読者対象に届くのだろうか?
どんな見せ方をすれば、この人のアドバイスを聞きたいと思うのだろうか?

このあたりを念頭に置きつつ、
文章を書く前に構成を考えてみましょう。

ここでのポイントは、人は自分ごとに思わなければ、
興味を持って読み進めないということです。

飲み屋で先輩からつらつら自慢話をされても、
ただただうんざりするのと同じように、
「自分でもできそう」とか自分ごとに思える何かを用意しておく必要があります。

あなたと読者対象者の接点や共感ポイントは何かを考えて、
意識的にそれらを構成の中に入れるようにしましょう。



次に、後者の読んでもらう工夫ですが、
何も上手な文章を書く必要はないと、
はじめに言っておきます。

ここでのポイントは、
細かく分ければ色々とありますが、
わかりやすいところから紹介していくと、
マンネリに感じやすいものを変えるといった工夫です。

もちろん、伝えたいことは類書とは違った結論になるよう、
事実をねじ曲げて書けと言いたいのではありません。

伝える方法や視点を変えてみようということです。



端的に、今日少しだけ、お勧めを言いますと、
たとえ話や偉人エピソードを仕入れておくことです。

特にたとえ話は個性が出やすく、
「えっ、どういうこと?」と思わせる効果があり、
お勧めします。



これについては、大事なことなので、明日、お話しします。

それでは、また!