ビジネス書の原稿を書く前にしておきたいこと
本業の仕事をしながら、一冊分の原稿量がはたして書けるのか?
そう疑問に持った人も少なくないでしょう。
ビジネス書で言うと、200ページにも及ぶため、
相当な量を書かなきゃと、精神的な疲労を感じる方もいらっしゃるかもしれません。
「そもそもどのくらいの量を書いたらいいんでしょうか?」
最初に量を知っていれば、納期から逆算して一日当たりの書く分量がつかめるためか、
こういう質問をされる方もいらっしゃいます。
ただ、この回答については、人によって答え方を変えた方がいいんじゃないかと、見ています。
他の編集者はどうしているのか、わかりませんが、
正直に伝えることだけがいいとは思えないのです。
というのも、自分が想像していた文字量よりも多いと思われ、
その量に圧倒されて、筆が進まない方もおりますし、
基準の原稿量をなんとか超えることばかりをお考えになる方もいるかもしれないからです。
もっとも、後者のタイプは絶滅危惧種だと思っておりますが、念のため。
そもそも大事なのは、原稿量が基準に達しているかどうかよりも、
原稿のクオリティーが高いレベルにあるかどうか、ですよね。
原稿の内容が良ければ、多少原稿量が少なくても、
おそらく原稿のある部分においては、
編集者からもう少し詳しく述べた方がいいという加筆提案もあるため、
後々補うことも十分できます。
そんなこともあり、あまり原稿の量を具体的に提示する必要もないのではと、
私は思っています。
その代わり、クォリティの高い原稿を書いてくださるために、
著者さんに色々と考えておいてほしいことがあります。
それを大別すると、次の3つです。
- なぜ、私がこの本を書くのか?
- どういう人に読んでもらいたいのか?
- 読者さんの読後はどうなってほしいのか?
原稿を書く前に、この3つを割り出していき、
執筆中は常に意識して書いてもらいたいです。
ま、あまり難しい話ではないので、簡易に説明します。
一番上の問いですが、読者さんがなぜ読みたいのかと思わせるものがあればベストです。
その際、できれば、大小二つの問題を用意できるといいでしょう。
単純に、公私の公であれば「大」、私であれば「小」という考え方でもいいでしょう。
例えば、私はこのテーマに関して長年研究してきたからとか、
このテーマと向き合い、最初は苦手だったけど、克服できたからとかは、
個人的で私的なことなので「小」です。
一方、多くの方がこれを解決したら、社会の生産性が上がるし、
私はこれについては専門性があるとなれば、
社会をも変える力もあるため、公で「大」となります。
「えっ、そんな大それたこと、できないよ」
こう思われるかもしれません。
でも、自分が提示する解決手法を多くの方が実践し、悩みを解決できたらと想像すると、
いやが応にも大きな話になりませんか?
それに、なんだかワクワクしてきませんか?
このワクワク感が非常に私は大事だと思うのです。
なので、実際にマニフェストとして「自分の力で社会を変えるようなことを言え」と、
言っているわけではありません。
自分を乗せて書くための工夫ですから、
ホワイトライをつく、そのつもりで考えてみてはいかがでしょうか?
ありゃ、結局、書ききれませんでした。
明日に続きます。
それでは、また!