出版企画書を持ち込む前に

昨日、出版企画書の書き方講座よりも優先して、
学ぶべき「書き方」がある、
という話をしました。

その背景として、あまた出版社に届くであろう出版企画書の中から、
一瞬で「これはすごい」と思わせる工夫が必要だと、
その一環としてある力を身につけようということです。

今日は、昨日紹介したある力を生かすために、
相手のニーズを汲み取るべきといったことを紹介していきます。

まず、ある程度、名のしれた出版社であるなら、
膨大な数の出版企画書が届くという現実は、
想像に難くないでしょう。

そのため、それを審査する人たちは、
日々忙しい業務の中で、
送られた出版企画を検討せざるを得ないため、
時間をあまりかけたくないと思っていることも考えられます。


そこで、審査する彼ら彼女らの目にとまるよう、
彼ら彼女らは何に関心ごとを持っているのか、
ニーズは何なのかを意識する必要があると、
私は思います。

といっても、わかりにくいかもしれませんので、
この二つのアプローチから、見ていきましょう。

  • その出版社がどんなジャンルが強いのか
  • その出版社にとってどのテーマが今、ホットなのか

正直、言うまでもないでしょと、言われかねませんが、
これらを見逃している方も少なからずいらっしゃいます。

語学書しか出していないのに、健康系の企画提案してみたり、
ビジネス書しか出していないのに、歴史系の企画提案してみたりなど、
ほぼ負けに行っているようなものと考えた方がいいでしょう。

「『痩せる男は仕事ができる』みたいな感じで、
健康本っぽいビジネス書をビジネス版元に提出はどうですか?」

こういう反論が来るかもしれませんが、
いわゆるビジネス書の王道ではなく、健康本的なコンテンツも入るため、
出版社によっては、ビジネス書ではないと判断するかもしれません。

よっぽどその持ち込まれた方にファンがいて、
出版社サイドが「売れる!」という確信を持っていたら、
もちろん別ですが、避けておくのが無難でしょう。

やはり、なかなか本が売れない時代になってきていますので、
出版社も何かチャレンジして本を作ろうと思いにくい面があることを忘れてはなりません。


次、「その出版社にとってどのテーマが今、ホットなのか」をつかむべきだということです。

これは、その出版社のHPや日経新聞の広告をみたり、
書店さんの店頭で、どの本を多面展開しているかとか、
POPなど販促物を使って売ろうとしているかを観察することをお勧めします。

じっくり目を凝らして、分析してみれば、
どのテーマの本を出している出版社でも、
今はこのテーマはそれほど広げず、あのテーマの本をよく出しているというのが、
わかるはずです。


そう言った分析をしていき、それに沿ったテーマであれば、
企画書の第一次審査はかなり通りやすくなります。


よく、数打ちゃ当たると言わんばかりに、
色々な出版社に企画書を送る人もいるかと思いますが、
私は逆効果だと感じています。

「なんかいつもこの人、企画書を送ってくるけど、
 イマイチなんだよな」

こう思われてしまっては、その出版社では出しづらいです。

たとえ、13回目に本当にいい企画ができたとしても、
12回連続でダメだったという印象の方が強く残ってしまい、
ろくに読まれずに企画書を捨てられてしまうことだって、
考えられるからです。

そのため、「出版社の強みと最近のホット商品」はつかんで、
効果的な企画提案をしていってもらいたいと思っています。

なお、編集者個別で対策を考えることもできますが、
それは応用編と考えてもらいたいところです。

それでは、また!