私が就職する前の話(暇な時に読んでください)
「どうやって編集者になれたんですか?」
「編集者になれるなんて、優秀ですね!」
前職に在籍していた時、交流会で名刺交換をすると、
こんなことを言われたものだが、
正直、毎度返答に困っていました。
というのも、全然優秀でもなければ、
期待に沿うことのできる回答なんて、
無理に近いからです。
正直に言うと、知人の紹介を通じて入社できたわけで、
自力で倍率の高い出版社の内定をもらったわけではありません。
それどころか、当時の私は重症な面接恐怖症にかかっていて、
受ければ受けるほど、メンタルがやられる日々でした。
とある小さな会社の面接では、要領を得ない私の回答に業を煮やしたのか、
途中から面接官がタバコを吸い出し、
人生をしっかりと考えたほうがいいと説教モードになったのを覚えています。
さすがの私でも、気持ちが滅入りましたね・・・
出版社に入りたくて数十社ほどは頑張ってみたけど、
内定の前に立ちはだかる【面接の関所】を一度も超えられず、
結局、職のないまま、大学を卒業しました。
そして私は卒業後、面接が怖いあまり、面接のない職場がいいということで、
日雇いのアルバイトを始めることにしたのです。
今思えば、情けないですが・・・
あるときは、マンホールを開けて下水道での清掃業、
トラックの荷台に乗せられどこかの山中での引っ越し業、
クリスマスとか大晦日の夜限定でカラオケの接客業など、
数多くの仕事をしましたね・・・。
だけど、この経験がのちに編集の仕事で生きてきたと思います。
私は著者の視点よりも読者視点で、
「こういうことを言って欲しい」と依頼したり、
「これについてどう思うのか」を聞き出すスタンスを取っています。
あくまで読む人の側に立つスタンス立っているですよね。
いろいろな仕事をしてきたから、
それだけ自分の中の「読む人」のイメージができてきたんだと思うんです。
ところで、幻冬舎の箕輪厚介さんという方、ご存知ですか?
彼は、イタコのように著者さんに憑依される体質になって、
著者さんがどんなことを考えているのかを汲み取るというようなことを、
以前おっしゃっていました。
この話を聞いた時、まったく逆のアプローチで面白いなぁと感じましたね・・・
さてさて、ここまで私の話に付き合って、
ここまで読んでいただいたことに感謝したいです。
もうちょっとだけ続きます。
最後に、40年生きてきて思うことは、
「人生万事塞翁が馬」なんだよなぁということ。
その時には不幸だと思ったことが後々に活きてくることって、
結構ありませんか?
例えば、大好きな異性にふられたから勉強を頑張れたとか、
誰もやりたがらない仕事を頑張ったら評価され出世できたとか。
みなさん、少しだけでも経験があるはずです。
要は、何が言いたいかと言うと、
その嫌なことに直面したら、その時は嫌という感情に支配されがちですが、
そんな感情を呑み込んで、
これは好転するきっかけとなるイベントなんだと、
解釈を変えてみようということです。
もしかしたら、その辛い時期の一つ一つの経験が、
あなたの強力な武器になるかもしれません。
人生をマラソンに見立てると、
今は辛くて仕方ない心臓破りの丘を走っているけど、
それを越えれば絶対に大きな達成感を得られるでしょう。
こんな達成感、平坦な道しかないマラソンコースでは、味わえないことですよね。
実は、今日、ハローワークに行き、手続きを終えるのに、
5時間半くらいかかりました。
そんなこともあり、この話を書き始めたというのもあります。
それではまた!