読者対象者に聞き出そう

出版座談会なる動画が上がっていて、ついつい見てしまいました。
ビジネス書版元の編集長クラスの方がオンラインで出版について語り合うといったもので、
出版を志している方にとっては、垂涎ものの動画と言ってもいいでしょう。

私個人としても、非常に勉強になる動画で、
三者三様、それぞれのスタイルが面白く思えました。

また、もしその出版座談会に参加していたら、どう答えるかなと、
考えながら聞いていたので、
私個人の出版スタイルを見つめ直す上でも有意義でしたね。

もちろん、誰が優れているとか優れていないとかではなく、
他者との違いを認識して結果を出すこと、
この姿勢って今後、本当に大きな意味を持つように思います。

私も一度、他のメンツでオンライン出版座談会をやろうかなと、
その日以来、思うようになりました。

さあ、こうなれば善は急げですね。



さて、前置きはこれぐらいにして、
今日は「出版企画のヒアリングをする」というテーマで、
お話をしたいと思います。

もちろん、出版企画を考える際、昨日お話しした通り、
半年後に流行るものをあてにいく姿勢も大切です。
過去のデータを集めてきたり、過去の現象をつかむことで、
出すべき出版企画のアウトラインを作ることもできるでしょう。

しかし、もっともっと深いところまで探りにいくには、
ひとりの力ではどうしても限界があります。

そこで、企画のアウトラインを作り、
読者対象者がきちんと定まったのなら、
その読者対象者さんに企画の質問をしておくのです。

話を聞きにいけば、どこに重点を置くべきかなど、
さまざまな気づきを得られるはずです。

読者対象者さんと話せる機会があるのなら、
お話を聞きに行かない理由なんてありません。



では、この場合、どういう風に聞くべきなのか、わかりますでしょうか?
とは言え、急になかなか答えづらいですよね。そのため、二択にします。

  • どんな悩みがあるのでしょうか?
  • この企画についてどう思いますか?


このどちらが正解か分かりますでしょうか?

正解は、





後者です。



意外と思われたかもしれません。
読者対象の悩みがそのまま出版テーマになるという話をしてきましたので、
前者だろうと思った方も少なくなかったと思います。

なぜ、前者ではないかと言いますと、
そもそも質問する前段階で「何の悩みを解決するか」については、
終わらせておくべきだからです。

もちろん、雑談の延長で聞いて、今後別の企画を作る参考にするのでしたら、
前者の質問でも構いませんが、企画を深めるという点では劣るということを覚えておいてください。



つまり、後者の「この企画についてどう思いますか?」がこの場合の最適解です。
どういう悩みを解決する本なのか、どんな内容なのかを手短に話して、
どう思ったのか聞いてみると、率直に答えてくれるものです。

そして、その答えに対しても「どういうところがそう思ったのですか?」と、
相手が答えやすいような聞き方で聞いていきます。

これを繰り返していけば、どういう見せ方をしていけばいいのかなど、
色々なヒントが得られるはずです。



最後に、大事なことを言わせてもらいます。

皆さん、悩みに関しての問題意識は持っているのですが、
その解決方法が何なのかというのはつかみきれていないものなのです。

そのため、必ずしもその悩みに対する解決法を丁寧に教えてあげればいいわけではありません。

書店さんの店頭には、あたかも真似して実践すれば手っ取り早く解決できることを謳った
お手軽感溢れるイメージの本が多く並んでいます。

解決手法をつかんでいない読者対象者さんは、
同じ解決するというゴールを掴めるのなら、
お手軽な方を選びたくなるものです。

長くなりましたので、ここまでにしますが、そういう心理もあることを忘れないようにしてくださいね。



それでは、また!